ドイツ&オランダ「動物保護施設視察ツアー」レポート①

2019-01-09

 平成30年11月8日(木)~15日(木)の8日間,東京都獣医師会が主催する「ドイツ&オランダ動物保護施設視察ツアー」に当事務所の幡野弁護士が参加させていただきました。当事務所が東京都獣医師会の顧問を務めるようになってからまもなく6年目に入ります。これまでもイヤーズカンファレンスをはじめとする様々な講演会やイベントを通じて,獣医療にまつわるすべての方が安心して暮らせる社会の実現に向けて,東京都獣医師会と協力し,活動してまいりました。
 今回はそのような取り組みの一環として,弁護士が動物保護施設の視察ツアーに参加させていただけるという貴重な機会をいただきました。

 本レポートは,弁護士の立場からみたドイツ・オランダそれぞれの動物関連施設について幡野にインタビューしたものです。「動物保護先進国」と呼ばれるヨーロッパの国々は,どのような取り組みを行なっているのでしょうか。日本の動物保護の未来に生きるさまざまな光景をお伝えします。

 

◆ハノーファー獣医科大学(ドイツ・ハノーファー)◆

 ツアー初日,一行はドイツ北部の主要都市ハノーファーにある,ハノーファー獣医科大学を訪れました。ハノーファー獣医科大学は,1700年代に創立された古い歴史を持つ大学で,ドイツでは唯一獣医学部のみで構成される単科大学です。
 構内ではTVT(Tierärztliche Vereinigung für Tierschutz e.V.)によるセミナーが行われました。TVTは,日本語では「動物保護のための獣医師会」と訳され,動物の生活水準の向上と動物福祉に尽力しているドイツ唯一の獣医学会です。セミナーではTVTの副会長からドイツの動物保護の考え方や法制度に関する講義がありました。
 その中で幡野が特に注目したのは,TVTがドイツ国内の法分野に及ぼす影響力だと言います。幡野は,「ドイツには『獣医局』と呼ばれる行政組織が全国にありますが,TVTの研究報告は法律とならんで獣医局が業務を行う上での判断基準になっています。TVTは動物保護に関心が強い獣医師で構成された学会に過ぎませんが,感情論で動物保護を謳っているわけではなく,きちんとした学術的知見に基づいているため,動物関連の法改正の際にもTVTの報告が重視されています。また,動物保護に関わる裁判の際にも参考にされるなど裁判実務にも積極的に取り入れられているとのことで,法律の側面から見てもドイツの動物保護に対する先進性を感じました。」と話しています。

 

◆ティアハイムハノーファー(ドイツ・ハノーファー)◆

 続いて一行が訪れたのは同じくハノーファーにあるティアハイムです。ティアハイムとはドイツ語で「動物の家」を意味し,何らかの事情で飼い主から手放された動物が保護されている施設を指します。
 日本では毎年17万匹前後の動物が殺処分されていますが,ヨーロッパの中でも動物保護先進国と言われるドイツでは原則として動物の殺処分は行わず,このティアハイムが動物を保護しています。
 ハノーファーが属するニーダーザクセン州では,犬を飼育する権利を認めると同時に,飼い主に管理者としての責任を課す仕組みとして,犬に関する知識の試験と,飼育している犬をコントロールする実技試験を実施し,動物の生活水準の向上に努めているそうです。ティアハイムを見学した幡野は,「マイクロチップの装着・登録を義務化したり,損害賠償責任保険への加入を義務化するなど確立された制度がいくつもあり,飼い主を養成することに注力するという点で,日本の動物保護施設も見習うべきポイントがたくさんあると感じました。日本の保護施設はまだまだマイナスなイメージが根強いですが,企業とコラボレーションした動物の遊び部屋を設置したり,おしゃれな飼育アイテムを置くなどティアハイムの工夫を参考にすることで,日本の保護施設のイメージも明るくなり,人々に身近に感じてもらえる施設に変わっていくのではないでしょうか。」と話しています。

 

 レポート①では,ドイツ・ハノーファーの光景についてお伝えしました。ハノーファーだけを見てもドイツの動物に対する保護意識の高さが窺えます。続いて一行は,ドイツ西部の都市デュイスブルグ,そして国境を越えオランダの首都アムステルダムへと向かいます。

 当事務所は,このように獣医療を取り巻く環境の変化について日々新しい情報を収集し,業務に取り入れています。医療事故や飼い主様とのトラブルはもちろん,未払い医療費の回収,スタッフとの労働トラブル,事業承継問題,経営方針に関するご相談などさまざまな案件を取り扱っておりますので,まずはお気軽にご相談ください。また,顧問契約のご依頼も随時承っておりますので,いつでもお問い合わせください。

(記事:吉田)

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