トピックス

東獣ジャーナルQ&Aの解答

2016-03-10

答えは「全部解雇できない」です。
このようなひどい場合でも解雇できないのはひどいと思いますが、現在の裁判所の考え方は、解雇するまでには何度も懲戒手続きを経てどうしようも無い場合でなければ解雇できないと考えています。

東獣15イヤーズカンファレンスにて講演会を行いました

2015-12-08

10月12日、東京都獣医師会の顧問弁護士として、獣医師会の会員様や一般の方の前で講演会をさせていただく機会をいただきました。
東京都獣医師会の顧問を勤めて早2年となりますが、このような素晴らしい場所でお話しする機会をいただき、とても光栄に思います。

今年始めに東京都獣医師会様より、会員の先生や一般の方に向けて講演会をしてほしいとのご依頼を受けました。
獣医師や動物病院が飼主やペットに心地よい獣医療を提供するためにすべきこと、また獣医療トラブルを未然に防ぐ方法について、たくさんの先生に知ってほしいとのことでした。
まさに当事務所の得意としている分野です。

普段は獣医師の先生や獣医療業界に携わる方向けに講演会をしていますが、今回は飼主の方を含む一般の方にもお聞きいただける珍しい機会でもありました。
この機会に、獣医療をとりまく法律問題やトラブルの原因、飼主さんと良好な関係を築く方法について、獣医師の先生だけでなく飼主さんにも知っていただければと思いました。
というのも、ペットがよりよい治療を受けるには、獣医師・飼主双方の努力が必要だからです。講演会でもお話しさせていただきましたが、トラブルが起きにくい状態・飼主さんとよりよい関係をつくるには獣医師の先生が飼主の声に耳を傾けるだけでは足りません。飼主さんの気持ちを共有・共感し、方針やリスクを確認する必要があります。一方、飼主さんも自身の気持ちや、費用・方針の希望をしっかりと伝える必要があります。双方が情報や気持ち・方針を共有したときに、ペットはよりよい治療を受けられ、飼主さんも治療や医院に対して満足できるということを知っていただければ幸いです。

講演内容は以下のとおりでした。
「伝えあおう ペットのために」
・ 獣医療紛争の種類
・ 獣医療トラブルとなる悪いサイクル
・ 誤解をなくすためにはどうすべきか?
・ 飼主側にありがちな誤解
・ 獣医師側にありがちな誤解
・ 獣医療における特徴
・ 医療トラブルが起きやすい状態
・ 医療トラブルが起きにくい状態
・ 伝えあうべきこと・理解すべきこと
・ 最低限の信頼のために

講演では、実際の事例も交え、トラブルが起きやすい状態・起きにくい状態について解説しました。獣医師がとるべき対応・飼主がとるべき対応について、トラブルになる前であっても、参考にできる部分は多いはずです。
この講演内容が、一人でも多くの先生・ペット治療のお役にたてればと思います。そして実際トラブルになりそうだなと思ったときに、この講演で学んでいただいたことを実践していただきたいです。

当事務所では、獣医師会様の講演会だけでなく、医院スタッフの勉強会や獣医療業界に関わる業種の勉強会まで幅広く取り扱わせていただいております。
もし、興味をもたれましたら動画もございますので、見ていただければと思います。

「動物病院のための法律入門セミナー」を行いました

2015-02-13

先日、獣医療を専門にセミナーを主催しているサスティナコンサルティング様からお声がけいただき、大阪と東京で獣医師の先生を前にお話しさせていただく機会がありました。

セミナーのタイトルは「動物病院のための法律入門セミナー」とのことで、

対飼主さんの視点からは、
1. 獣医療事故発生の機序
2. 訴訟に発展させないための対処法
3. 飼主の不満のサインの察知法
4. クレームのサインと対処法
5. 日頃からできるリスク管理
6. トラブルが起こってしまった場合の対応

経営者の視点からは、
1. 未回収の診療報酬問題
2. スタッフとのトラブル

ついてお話しすることにいたしました。

今回のセミナーでは開業医の先生が多く参加されておりましたので、
訴訟のための準備や基本的なクレーム対応のお話だけでなく、
「クレームに強い動物病院はよい経営に結び付く」という経営の視点からもお話させていただきました。

クレーム対応にばかり目がとられて、そこまで思い当たらないことが多いのですが、
クレーム対応と経営というのは強い結びつきがあります。
今まで数多くの動物病院を見てきましたが、
クレーム対応に強い医院というのは、クレームの芽となる『飼主さんの不満』を察知する能力に非常に長けています。
日頃から飼主さんをよく観察しており、待合室でのちょっとした不満からスタッフ・獣医師の対応への不満までも見抜き、
飼主さんひとりひとりに合わせた対応をしているため、そもそもクレームを発生させません。
むしろ、細かい気配りや丁寧な対応により顧客満足度という評価として返ってくるため、よい経営に結び付いています。

そのような経験談から、「クレームの芽となる不満」や「クレーム」の察知方法、
不満を察知した後にクレームではなく、むしろ顧客満足に変えていくための対応方法について、
実際にあった事例を交えてお話させて頂きました。

また、訴訟のための準備や日頃からできるリスク管理については、
獣医師の先生方がされやすい誤った対応の危険性(訴訟リスク)を交えながら、適切なカルテの記載の方法から同意書の取り方、
事故が起こってしまった場合のトラブルにさせないための対応をご説明しました。

参加された両会場の先生からは、「いつでも訴えられる状況にあり、それを回避できることはやっておかないといけないことを学びました。」「弁護士の先生がいることで心強くなれます。」
などと、ありがたいお言葉とともにご好評をいただきました。
当事務所のノウハウが評価されて、大変うれしく思います。
今後も全国の獣医師の先生方のご期待に添えるよう、邁進する所存です。

当事務所は今回のような企業様主催のセミナーだけではなく、
獣医師会様での講演会や個人の動物病院様での勉強会、ご友人を集めた勉強会にもお伺いいたします。

講演会や勉強会をお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。

弁護士田村勇人のセミナー中の様子

弁護士田村勇人によるセミナーの様子(大阪にて)

弁護士堀井亜生のセミナー中の写真

弁護士堀井亜生によるセミナーの様子(五反田にて)

応召義務について

2014-09-04

誰でもいつでも診なくてはいけない?

獣医師の先生方は、「苦しむ動物たちを助けねばならない」という使命感や、応召義務違反になることへの恐れから、飼主さんからの無理な要求を拒めず苦慮する場合が多々あります。

確かに、獣医師には応召義務がありますが、義務が認められないケースもあります。
そもそも、応召義務とは、「診療を業務とする獣医師は、診療を求められたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。(獣医師法第19条第1項)」と定められたものです。
ですから、正当な事由があれば、拒否をしてよいことになります。

ペットを連れずに薬だけ欲しい飼主さん

一つ例をあげますと、飼主さんが、ペットを連れずに来院し、ペットの具合が悪いから薬を処方して欲しいと求めました。ルールがあるから処方はできないと説明しても納得せず、長時間の対応を余儀なくされ、ご不満を持ったまま帰ってしまいました。
このような要求は、しばしば起こる事例です。

勿論、無診察処方は違反にあたりますから、処方は許されませんが、わざわざ来院した飼主さんを無下に帰らせてしまっても良いのだろうか?と悩まれる先生方もいらっしゃることでしょう。

このような事態への対応のポイントは、応じられない要求はしっかりと断り、その理由を納得してもらう点です。

具体的には、無診察処方の要求に対しては、単に、「ルールだからできない」と説明するだけでは足りず、「ルールがあるので、ペットを診察しない限り、当医院では処方はしません」というように、断るだけではなくなぜ診察をせずに薬を処方出来ないかについて、大切なペットの安全のためであることを説明して納得してもらいましょう。
もし、ご自身で対応可能と判断できる場合は、「次回、ペットを連れて来てください」と言い添えればよいでしょう。
遠慮がちな対応は、強く言えば要求が通るかもしれないと期待させ、返ってクレームを長引かせます。クレーム対応に長時間の時間を割くとなると、他の業務に支障が出ます。そのような事態を防止するためにも、毅然とした対応を心がけるのが重要です。

ペット占いに見る、飼主対応の新しい流れ

2014-04-19

ペットの気持ちを知るため、占い師に相談する飼主が増えている――。
先日、このようなニュースを目にしました。
世帯人数減少に伴い、ペットが家族の一員と見なされるようになった昨今、ペットに関する悩みを占い師に相談する飼主が増えているようです。
占いというと、非科学的な印象を受ける方もいらっしゃるかと思いますが、このような占いが人気を得ている理由は、科学的に正確な占い結果を知り得ることよりも、飼主の心情に沿った言葉によって心理的満足を得られることにあると思われます。

獣医療の現場では、「治療の対象である患者≠飼主」であることによって発生するトラブルが多く見受けられます。
患者であるペットから治療の希望を聞き取ることは難しいので、治療を行う獣医師は、飼主の主観を通してペットと向き合うことになります。
そうすると、ペットを客観的に診て総合判断する獣医師の治療方針と、飼主の主観的な希望との間で認識が食い違い、後々、「こんなはずではなかった」等のクレームが入ることになります。

これを避ける方法として、ペット占いへの需要が増えていることが参考になると思います。
というのは、飼主ならどなたでも、自分が愛情を注ぐペットが幸せを感じているかどうかを気にされているからです。
このような飼主心理からすると、獣医師側でも、ペットの治療を進めるにあたって、飼主のペットに対する気持ちに寄り添う説明を心がけると飼主からの理解を得やすいでしょう。
正しい治療を勧めるだけではなく、「ペットにとって、この治療を受けさせてあげるのが、幸せかもしれないですね」といった言葉をかけ、飼主に納得して頂いてから治療をすることで、結果として、クレームの減少に繋がることになります。

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