ペット占いに見る、飼主対応の新しい流れ

2014-04-19

ペットの気持ちを知るため、占い師に相談する飼主が増えている――。
先日、このようなニュースを目にしました。
世帯人数減少に伴い、ペットが家族の一員と見なされるようになった昨今、ペットに関する悩みを占い師に相談する飼主が増えているようです。
占いというと、非科学的な印象を受ける方もいらっしゃるかと思いますが、このような占いが人気を得ている理由は、科学的に正確な占い結果を知り得ることよりも、飼主の心情に沿った言葉によって心理的満足を得られることにあると思われます。

獣医療の現場では、「治療の対象である患者≠飼主」であることによって発生するトラブルが多く見受けられます。
患者であるペットから治療の希望を聞き取ることは難しいので、治療を行う獣医師は、飼主の主観を通してペットと向き合うことになります。
そうすると、ペットを客観的に診て総合判断する獣医師の治療方針と、飼主の主観的な希望との間で認識が食い違い、後々、「こんなはずではなかった」等のクレームが入ることになります。

これを避ける方法として、ペット占いへの需要が増えていることが参考になると思います。
というのは、飼主ならどなたでも、自分が愛情を注ぐペットが幸せを感じているかどうかを気にされているからです。
このような飼主心理からすると、獣医師側でも、ペットの治療を進めるにあたって、飼主のペットに対する気持ちに寄り添う説明を心がけると飼主からの理解を得やすいでしょう。
正しい治療を勧めるだけではなく、「ペットにとって、この治療を受けさせてあげるのが、幸せかもしれないですね」といった言葉をかけ、飼主に納得して頂いてから治療をすることで、結果として、クレームの減少に繋がることになります。

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