近時、獣医師に対するクレーム※が急増しています。
今までも伴侶動物が死亡した場合にクレームがなされるといったことはありましたが、最近は同じクレームでも、弁護士に依頼して強硬に金銭を要求する事例や、死亡しない場合でも診療内容に不満があるということで金銭の返還を求めるという事例が増えてきました。
また、獣医師の診療行為に過失が無いことが明らかな場合でも、強硬に金銭請求を行い、言うことを聞かなければインターネットに悪評を書き込むというご家族も増えてきています。
中には、本当はそのようなものが存在しないのに「他の獣医師が過失があると言っている意見書がある」「異常な死に方をした証拠がある」などと脅してくるご家族もいます。
※クレーム内容が正当な理由があるものも無いものも含めてクレームと指します。
急増した背景には様々な要因がありますが、他の医業と同じように、医療行為に対する患者側の権利意識の高まり、専門家に対する不信感、インターネットの普及による不正確な知識による猜疑心の高まりがあります。これらの理由から、今まではトラブルにならなかったことでも、「これは医療ミスではないか?」と思うご家族が増え、さらに獣医師にクレームを申し入れるご家族が格段と増えているのです。
また、獣医師独特の問題として、診療行為の直接対象である伴侶動物が話すことが出来ない為、治療の効果が自覚的にわからず、また、どこまで検査、治療をするか、費用をどれだけかけるかについて広い選択肢があり、あるご家族にとっては、無駄に高い検査をされた、高い治療をされたという解釈になる一方で、あるご家族にとっては、必要な治療をもっと強く勧めてくれればよかったということになりがちです。
またその手段としては、損害賠償や他院の治療費の請求を行う一般的な方法だけでなく、医院に怒鳴り込む、誹謗中傷する内容をネットに書き込む、医院に電話をかけ続ける等、さまざまなバリエーションがあります。
また、なかには、獣医師に対して不満があると述べるわけではないが、治療内容の説明を繰り返し聞き続ける電話を繰り返すだけなので、はっきりと断り辛くスタッフの方が疲弊してしまうというような類型もあります。
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